個人再生:遺産分割未了の被相続人名義の不動産を保有し続けるため、個人再生手続きを選択した事例破産:

依頼者の属性

40代 男性 会社員  負債総額 約370万円

依頼に至る経緯

ご依頼者は実家暮らしで扶養家族もいらっしゃらなかったため、もともと給料の多くを自由に使える状況にありました。そのため、ギャンブルやスナック等の頻回の利用などの浪費を繰り返すようになり、最終的に多額の借金ができてしまいました。

解決結果

当初自己破産を希望されていましたが、弁護士が財産状況を精査した結果、破産者が居住中の実家の名義が遺産分割未了で亡くなった親族名義のままの状態にあり、また、ご依頼者様が遺産に対する法定相続分を有していることも判明しました。ご依頼者様は引き続き当該不動産に居住することを希望されたため、破産から個人再生に切り替えて申し立てを行いました。

ポイント解説

今回のように、遺産分割未了の被相続人名義の遺産があり、ご本人が法定相続分を有しているという場合、破産や個人再生手続きを進めるにあたっては、当該未分割の遺産の法定相続分相当額は、本人名義のプラスの財産として評価されます。ここで、破産事件では、不動産は手放さなければなりません。もし、破産手続きを進める上で、不動産を残したいのであれば、他の方(親族等)に破産者の法定相続分を買い取ってもらうことにより当該不動産を守ることができる場合もあります(ただし、名義は買い取ってくれた親族等の名義になります)。しかし、今回のケースでは、同居している母親に実家のご依頼者様の法定相続分を買い取ってもらうことは困難であったため、破産手続きを取ることを諦め、個人再生手続きに切り替えました。個人再生手続きでは、当該実家を売却することなく、法定相続分の相当額を清算価値に加えることで、不動産を守ることが可能であったからです。

もっとも、不動産を清算価値に加えることで、弁済総額が増えることになるため、裁判所に再生計画を認可してもらうためには、ご本人の収支状況などを精査し、確実に弁済することが可能であることを証明する必要があります。

今回のようなケースでは、破産か個人再生かの手続き選択には極めて専門的な知識が必要となります。当事務所では、状況が煩雑で選択すべき適切な手続きが分からないという方に対し、弁護士の豊富な経験に基づく適切なアドバイスをさせていただきます。

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