任意整理:元夫が無断で借り入れていた借金につき、消滅時効の援用をした事例
依頼者の属性
40代 女性 パート 負債総額 約40万円
依頼に至る経緯
ご依頼者様の元夫は、ご依頼者様に内緒でご依頼者様名義のカードで借入を続けており、途中から返済が滞るようになっていました。ご依頼者様宛に督促状などが届きましたが、引越を繰り返している内に、それも届かなくなりました。最近になり、ご依頼者様自身が作った別の借入について文書が届き、これを機に全ての借入の把握と、その整理をしたいということで、ご相談に来られました。
解決結果
当初自己破産を希望されていましたが、弁護士が債務額の調査をした結果、元夫がご依頼者様に内緒で借り入れた分については、消滅時効が成立していることが分かったため、消滅時効の援用通知を送付しました。残った借金は、依頼者様自身の借入分のみで、これは当事務所にご相談に来られる3ヶ月ほど前に債務名義を取られていたため、消滅時効が更新していました。そのため、破産から任意整理に切り替え、残った借金を3年で分割返済をするという内容で、債権者と和解をしました。
ポイント解説
消滅時効の援用とは、借金を長期間返済していない場合に、「時効期間を経過しているので借金を支払いません」と主張することで払わなくてよくなる制度です。これには条件があり、①長期間(5年または10年)返済をしていないこと、②相手に消滅時効の主張(援用)をすること、が必要になります。しかし、時効が認められない場合もあります。具体的には、過去に裁判を起こされ債務名義を取られているような場合や、債権者と和解書を取り交わしたり、返済についての話し合いをするなど、債権者に対して債務の存在を認める行為をするといった債務承認行為をしている場合は、時効の更新事由が認められ、時効の起算点(スタート)が振り出しに戻り、再度そこから5年(もしくは10年)経過しないと時効が主張できません。
実際に時効援用をするためには、様々な条件が必要になり、ご自身でそれらを判断するのは難しい場合がありますので、長期間返済をされていない方は、一度、弁護士にご相談ください。

- 【破産】免責不許可事由の内容が重度であったため、破産開始決定後に按分弁済を行うことによって免責を得た事例
- 5年間で60回の分割弁済を行う内容の任意整理を行った事例
- 【破産】個人再生と破産の両方を選択肢に入れた上、破産申立を選択した事例
- 【法人破産】通所介護サービス施設を営む法人が破産した事例
- 【任意整理】破産により資格制限を受ける職業に就いていたため、破産でなく任意整理を行った事例
- 【破産】保証債務の返済が困難となり破産を申し立てた事例
- 【破産】飲食チェーンとライセンス契約を結んで飲食店を経営していた個人事業主が破産を申し立てた事例
- 破産:コロナ融資終了後の個人事業主の破産の事例
- 破産:喫茶店を経営するための店舗兼住宅建築のためローンを組んだが、コロナ禍により返済ができず、管財事件として破産を申し立てた事例
- 任意整理:元夫が無断で借り入れていた借金につき、消滅時効の援用をした事例