自己破産後の生活

Q:自己破産をすると車はどうなりますか?

  自己破産をしても自動車を手元に残せるかどうかは,「ローンの有無」と「自動車の価値」によって決まります。

① 自動車ローンが残っている場合

ローン会社の所有権留保が付された契約の場合,ローン会社により自動車が引き揚げられます。引き揚げられる時期については,弁護士が債権者に受任通知を発送した後,1~3ヶ月以内が多いです。
自己破産を考えている人が,どうしても車が必要だからといって,自動車
ローンの残債務のみご自身で一括返済することは,偏頗弁済に当たりますので,止めましょう。どうしても車が必要な場合は,一度弁護士にご相談ください。

② 自動車ローンは完済し,自動車の価値(査定額)が20万円以上ある場合

  自動車の価値が20万円以上の場合,裁判所より選任された破産管財人によって処分・換価され,債権者への配当原資に充てられる可能性があります。しかし,20万円以上の価値があっても,自動車を含む財産の合計が99万円以内であれば,処分・換価されず手元に残すことができます。

③ 自動車ローンは完済し,自動車の価値(査定額)が20万円以下の場合

自動車の価値が20万円以下の場合,処分・換価されることはなく,今までどおり使用することが可能です。自動車の法定耐用年数との関係で,普通自動車は初年度登録から7年,軽四自動車は初年度登録から5年以上経過している場合は,査定書がなくとも処分・換価が不要と判断されます。もっとも,人気車種や高級車であれば,初年度登録から上記の期間以上が経過していても査定額が高額になることが多いため,具体的な査定額を前提に処分・換価の必要性が判断されることになります。

④ 自動車の名義が第三者の場合

  使用している自動車の名義がご家族などの第三者の場合,処分の対象にはなりません。かといって,破産前に自分名義からご家族の名義に変更し使用し続けることは,財産隠しが疑われるなど後に問題が複雑になりますので,自己判断で行うのは止め,弁護士に相談して下さい。

自己破産をしても,新たに自動車を購入したり,レンタカーを借りたりすることは可能です。しかし,自己破産をすると,信用情報機関に事故情報として登録されてしまうため,5~10年程度は自動車のローンを組むことが出来ず,現金払いでの購入となりますので,注意が必要です。

Q自己破産をするとマイホームはどうなりますか?

住宅ローンを組む際には,ほとんどのケースで住宅に抵当権が設定されますので,自己破産をすると,住宅ローン会社は,この抵当権に基づき,住宅を処分・換価します。不動産の処分・換価を任意売却で行うのか競売で行うのかは,破産管財人が住宅ローン債権者と協議の上決定するのが一般的です。
住宅ローンを完済していても,自己破産する場合に手元に残せる財産の中に不動産は含まれませんので,処分・換価の対象になります。
住宅ローンの契約者や住宅の名義がもともとご家族等の第三者であった場合は,破産手続きにおいて処分・換価される対象にはなりませんが,住宅を手放すことを避けるために,破産手続き前に住宅の名義を第三者に変更したり,住宅を売却するような行為は,財産隠しが疑われるなど,問題が複雑になりますので,自己判断で行うのは止め,弁護士に相談して下さい。
また,自己破産をして住宅を処分することになっても,買い受けた方から賃貸することで引き続き居住可能なこともありますが,あくまで例外的な措置になります。

Q自己破産をすると預貯金はどうなりますか?

 借金の借入先に銀行等の金融機関が含まれる場合,当該銀行に対して自己破産する旨の通知を送付すると,借入れをしている銀行の口座は凍結され,多くの場合,普通預金や定期預金の残高と借金額とが相殺されます。その後,銀行は,残った借金について保証会社から代位弁済を受け,代位弁済が得られた時点で口座の凍結が解除されることが一般的です。しかし,銀行によっては口座の強制解約処理をするところもあります。

そこで,銀行口座が凍結される前に,以下のことを行ってください。

① 借入先の銀行口座の預金は残額を全て引き出しておく。

② 借入先の銀行口座が給料振込先に指定されている場合は,会社に依頼して給与振込先の変更をしておく。

③ 借入先の銀行口座が公共料金や携帯料金,家賃等の引き落とし口座に指定されている場合は,それらの支払方法の変更をしておく。

 自己破産をしても,預貯金を含む財産の合計額が99万円以内であれば,預貯金を残すことが可能です。
また,借入先の銀行以外では,新規に口座開設することが出来ますが,借入先の銀行で新規口座開設できるかどうかは,それぞれの銀行の判断によります。

Q自己破産をすると保険はどうなりますか?

 加入している保険が,「掛け捨て型」か「貯蓄型(積立型)」かにより,解約が必要になるかが変わってきます。

①「掛け捨て型」の保険の場合

保険を解約した場合に発生する解約返戻金は0円であるため,解約せずにそのまま保険を残すことが可能です。

② 「貯蓄型(積立型)」の保険の場合

保険を解約した場合に解約返戻金が発生します。保険の契約内容や契約期間により解約返戻金の額が変わってきますが,この解約返戻金が20万円以下であれば,解約せずに残すことが可能です。ただし,この20万円以下というのは,契約している全ての保険についての解約返戻金の合計になるため,例えば,「A保険の解約返戻金15万円,B保険解約返戻金10万円」の場合は,合計すると25万円の解約返戻金が存在することになり,どちらか一方は解約の対象になります。しかし,保険の解約返戻金の合計が20万円を超えていても,保険解約返戻金を含む財産の合計額が99万円以内であれば,解約せずに残すことも可能です。
なお,保険契約(特に生命保険)は,高齢者や持病をお持ちの方については,一度保険を解約すると,再度加入することが難しくなることが多いです。もし,保険料や解約返戻金額が高額で事情により解約することを検討している方は,再度加入できるかどうかを考えておくことが必要な場合がありますので,一度弁護士にご相談ください。

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